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放置し続けたあとの、対策の強化
自宅にて
人身売買の防止制度や被害者の保護対策などにおいて、日本は大きく欠けるところがあるという理由で、アメリカ国務省による2004年度報告のなかで、日本は「監視対象国」に指定された。こういった点では日本を厳しく監視しなくてはいけない、と世界じゅうに公表されたわけだ。2005年度の報告が、この5月にもおこなわれるという。日本は「監視対象国」にとどまることになるかもしれない。
「監視対象国」に指定された日本政府の反応は、なぜかフィリピンに向けられたようだ。朝日新聞の記事によると、2003年にショー・ビジネスのヴィザで日本に入国した外国人は13万人で、そのうちの8万人がフィリピン人であり、この半数以上が、ショー・ビジネスのヴィザでは就労することの出来ないホステス接客業についている、ということだった。「監視対象国」に指定される原因となるような要素がここにある、と伝えている印象を僕は受けた(以上、2/17に訂正しました。訂正前の文章では、新聞記事から受けた印象が、僕の地の文になっています。これは完全に僕の意図の外です。訂正した文章のように書かれるべきでした。うかつな文章に謝罪いたします)。彼女たちフィリピンの「ダンサー」は、フィリピン政府が発行した「芸能人認定証」によって、日本政府からショー・ビジネスのヴィザを認められ、日本へと入国している。
この「芸能人認定証」がそもそもいい加減なものだから、これだけでは今後はショー・ビジネスのヴィザを発給しないことにする、と日本政府はきめた。「ダンサー」として日本へ来て、「フィリピン・パブ」で接客するという形態の内部に、彼女たちが自由を制限された上に搾取もされているという、人身売買のシステムが出来ている。現実はずっと以前からこうでありながら、日本政府はなにも対策を講じることなく、問題を放置してきた。
連想と言うなら確かにここからの連想なのだが、人工妊娠中絶の日本における現実に関して、アメリカの政権内から、あるいはそれにごく近いところから、厳重な批判や抗議が日本に向けられる日がやがて来るのではないか、と僕は思う。いまのアメリカ政権を支えている宗教右派と呼ばれている層は、人工妊娠中絶を絶対に許せないものとして、反対している。人工妊娠中絶に関しては、現実に発生する個々のケースに応じて、適切かつ必要と思われる処置を取る、という日本の方針に大転換が迫られる日が、来るのではないか。
日本では現実に中絶は自由であり、中絶された胎児が生ゴミとして捨てられていた、といった事例をアメリカの宗教右派はよく知っているはずだ。軍事同盟をとおして緊密な関係が増していく相手として、こういう国は好ましいかどうかという批判が政権に向けられたとき、政権はどんなふうに反応するか。日本政府が対策を講じることなく放置して来たやっかいな問題が、ここにもある。アメリカによって指摘されて初めて対策を強化する日本政府だが、中絶の問題ではどこが悪者となるのか。

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