『まだある。』
浅草にて
大空ポケット文庫というところから『まだある。』というシリーズが出ている。サブタイトルは「今でも買える“懐かしの昭和”カタログ」。第一弾が食品編で、第二弾が文具・学校編、そしてついこの間、第三弾の生活雑貨編が発売された。
要するに、現在でも入手可能な懐かしい品々をオールカラーでカタログ化しているのである。くわしくはhttp://www.ozorabunko.jp。
僕自身はノスタルジーに対して不感症で、一般にこの手のものは避けて通るのだけれど、このシリーズに限っては「まだある」というコンセプトにひかれてついパラパラとページを繰ってしまう。今もなお買えるという意味では、通常の商品カタログを見ているのと同じだからである。
ココアシガレットがある。ありあけのハーバーがある。ミッキーナイフがある。水中モーターがある。ウテナ男性クリームがある。カネヨレモンがある。ギターペイントがある。
確かに子供の頃に見かけたものばかりだが、すべて「まだある」ということに感慨を深くする。ノスタルジーというのではなく、今でも食べたいとか使いたいと素直に思う。そして思えば買える。買う手段が本書には載っている。それがありがたい。
ヒットは終わっても作り続けられている物たち。つまりそれらは今なお買われ続けているのである。その商品の生命の長さは驚異的である。我々が忘れているだけで、物はまだ生産され、流通しているのだ。
デザインがまたなんともいえないのである。コンピュータ導入前の昭和の商品デザインの数々は、明らかに何かが違う。さすがに人口に膾炙された物ばかりだから、インパクトが強い。簡略化の仕方に技がある。ということで、何度も何度も各ページに見入ってしまう。なかなか見飽きない。
このシリーズ、けっこういいです。
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