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先見日記

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2007 Mar 2
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堂々めぐりの子守歌
自宅にて

 あーあ、効き目のある言説を、今年もまた必死に探すことになるのか……。
 そんなボヤキが出そうになったのは、北京オリンピック アジア男子サッカー2008 2次予選、対U-22香港代表戦3-0(前半1-0)後の『報道ステーション』(テレビ朝日)を観たから。
 いつもながらのことですが、古舘伊知郎キャスターの福田正博さんに対する慇懃な態度からして変です。あれは自分のお手上げ状態の裏返しです。なぜもっと自然に振る舞えないんでしょうね。試合終了から間もないがゆえに、情報を集めきれなかったり、放送時間が足りなかったりするのは、同情すべき点ですが。

 サッカー日本代表の場合は、決定力不足という遺伝的持病にどうしても行き着いてしまうようです。でも「もっとシンプルに!」が結論じゃあ、ハーフタイム監督コメントのひとつぐらいなもので軽すぎます。
 戦術好きには、相手の4DFを意識しての3FWに問題があるように見えたでしょう。終了後会見では、敗れた香港の黎新祥監督が、FW平山相太をバレーボールのセッターの役割にたとえました。片や反町康治監督は日本の前半のつたない戦いぶりを、捨てパンチのジャブを打てないストレート一発狙いのボクシングにたとえて説得力がありました。
 22歳以下代表ということもあって、今のところは顔と名前を覚えてもらう段階なのでしょう。個人的には小巧い選手たちをどう戦える集団に持っていくのかに興味があります。日本人監督でもちゃんとメダルが獲得できることを40年ぶりに証明して、その勢いで協会幹部の若返りをはかってもらいたいと願っています。

 でも結局は練習ですよね。瀬古利彦『マラソンの真髄』(ベースボール・マガジン社・06年)によると、マラソンの場合はトップレベルでも、素質3割、練習7割。あるいは素質2割、練習8割と言われるそうです。これがトラックの長距離(5000メートル/10000メートル)だと、素質6割、練習4割。中距離だと、素質7割、練習3割なのだとか。
 ではサッカーの場合はどうなのか。ポジションによって違ってくるのでしょうけど、成功をもたらす個人練習についての至言名言の類をあまり聞いたことがありません。釜本邦茂さんの「いまの若い選手は……」「われわれのころは……」を最近また聞いて哀しくなりました。だったらケチらずにいい加減、秘伝の練習メニュー(あったらの話ですが)を瀬古さんのように公表してほしいですよね。グチという名の惰性ばかりが継承されるようでは困るんです。

 ぼくがサッカーの各年代日本代表チームの試合を観ていて感じるのは、本番でバカ力を出せないこと。成功パターン獲得のためにいま最も必要なのは創意工夫に富む練習です。瀬古さんはオリジナリティー溢れるその本でサッカーにも応用できそうなヒントをいっぱい言ってくれています。曰く、
「練習をする前から、練習は始まっている」
「練習のときだけが練習だという考えでやっていると、好不調の激しいランナーになる」
「レースは調整して出るので、練習の何10倍も楽だ」

 シーズンの到来は嬉しいけれど、チャイルディッシュなサッカー言説の堂々めぐりはうんざり。でも、堂々めぐりとは元々が「祈願のために社寺のお堂の周りをめぐること」。サッカーが宗教にたとえられるのも、もっともなことと改めて思うのです。

End

















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