パリに行った時のはなし
自宅にて
暫く海外で仕事をしていたことについて書いていたら、今まで旅した国々のことを思い出し、ちょっと日本を飛び出した話を書きたくなった私。
これもある種の「先見」かなと思い、またしても海外編です。
以前フランスに一人旅をしたことがあります。「買い付け気分の日」はかわいい雑貨を見て周り、「映画の日」と名付けた日には、モンマルトルの丘や「アメリ」が働いていた設定のカフェでクレームブリュレを食べたり、ムーランルージュの風車の前で歌って踊ってみたり(勿論脳内でです)。「文化と芸術の日」はシテ島の鳥市や花市を見に行ったり、ノートルダム大聖堂でバラ窓と呼ばれる素晴らしいステンドグラスに感動し、自然に涙が溢れ思わず祈ってしまったり、本当にのんびりとした気分の、贅沢で心が豊かになる旅でした。
ところがある日、いつものように地下鉄の階段を下りている時、前から数人のリセエンヌ達が「きゃあきゃあ」言いながら走ってきます。珍しくハイテンションなお嬢さん達だな……と思っていたら、なんとそのリセエンヌの一人が体の大きな男に羽交い締めされ、首に小刀を突き付けられていたのです。
えぇ〜どん引きです。思わず撮影部隊を探しましたが、そんなものはいなくて、その少女は履いていたジーンズのお尻のポケットから財布を出し、男に投げ付け、男が手を離した隙に全速力で駆け出しました。周りの人は意外にも我関せずです。飛び掛かる火の粉は確かに怖い。
こうして書くと長いのですが、この事件は本当に一瞬の出来事でした。観光気分丸出しな私は、その日を境に物凄い緊張感をもち、山猫のような目で街を歩くのでした。
って、そんな目をして歩いていたら余計危険な目に遭いそうな気もしますが、何かと開放的になってしまう海外旅行。羽を伸ばしのんびりと楽しむのは勿論、必要以上に警戒することもありませんが、やはり、(最近は変な事件が多いけど……)日本は平和だなと感じました。地下鉄で強盗を目撃することも稀ですが。
光と影を見せ付けられた貴重な旅でした。
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