2002年ニュースリリース

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2002年12月19日グリッド・コンピューティング技術により、PCの余剰CPUパワーを束ね
巨大なCPUパワーを提供する『cell computing®』の大規模実験開始

株式会社NTTデータ

 (株)NTTデータ(江東区 社長:青木 利晴)は、日本アイ・ビー・エム(株)(港区 社長:大歳 卓麻)、インテル(株)(千代田区 社長:ジョン・アントン)、東日本電信電話(株)(NTT東日本 新宿区 社長:三浦 惺)、マイクロソフト(株)(渋谷区 社長:阿多 親市)の協力の元に、数十万台規模のPCの余剰CPUを束ねることで、巨大なCPUパワーを提供する、『cell computing®』の大規模実験を平成14年12月20日より約3ヶ月間実施します。
 なお、グリッド・コンピューティングのミドルウエアについては、United Devices, Inc.(米国テキサス州 CEO:Ed Hubbard)と共同で検討、開発を行い、インフラとしてはIBM®製サーバを採用しました。
 今回の実験で解析するテーマは、東亞合成株式会社(港区 社長:福澤 文士郎)が行う研究の一環として、遺伝子病研究にもつながる『ヒトの遺伝子情報からの周期性の発見』、NTT物性科学基礎研究所(神奈川県厚木市 所長:石原 直)が行う研究の一環として『光学的に新たな特徴をもつ材質の設計図の作成』を行います。

【cell computingとは】
 ネットワークに接続された、家庭内や企業内PCの余剰CPUパフォーマンスを統合し、仮想的なスーパーコンピュータとしての利用を実現する技術により、バイオ、物理計算、設計、金融工学、CGレンダリングなどの分野の顧客に安価にCPUパフォーマンスを提供するものです。NTTデータでは、企業内のPCのCPUを統合するイントラネット型、常時接続環境のPCを対象としたインターネット型のcell computingを事業化に向けて検討を進めています。

【cell computingの主な特徴】
  1. スーパーコンピュータなどの大型計算機と異なり、専用のハード、設置環境を求めない。
  2. 利用されていなかった余剰CPUパフォーマンスを利用するものであり、低コストで高パフォーマンスを実現。
  3. 今後のPC性能の向上にあわせて、分散コンピューティング技術による仮想スーパーコンピュータの性能も向上するため、陳腐化しない性能。


【解析するテーマについて】

『ヒトの遺伝子情報からの周期性の発見』
 ヒトゲノムに潜んでいる未知の長大な周期性や未知のパタ-ンを探索、解析することにより、遺伝子病とDNA配列構造との相関関係を明らかにして、遺伝子病の治療法の糸口を創出することを目的とします。
 ヒトゲノムの約半分は生体機能への影響が殆ど分かっていない繰り返し配列が占めることが分かってきています。さらに、近年、ハンチントン病など数多くの遺伝子病が、原因遺伝子の中にある繰り返し配列が変化することが原因で発症することも分かってきています。今回の大規模実証実験においては、クロイツフェルト・ヤコブ病の原因となるタンパク質「プリオン」の遺伝子や、肥満などの生活習慣が引き金になって発症する「2型糖尿病」などの原因遺伝子が存在するヒトの20番染色体から解析を始めます。1万塩基単位から数百万塩基単位の長大な未知の繰り返し配列等の周期性探索、およびその周期性がどのようなDNA配列構造の中に存在し、どのようなパタ-ンを有するかを解析します。

『光学的に新たな特徴をもつ材質の設計図の作成』
 現在、信号伝送に使われている光を、光のまま処理する光プロッセッサなど微小な領域で高度に制御でき、将来の光マイクロプロセッサのプラットフォームになりえる新しい光素材の最適構造の探索を行います。
 この分野で、近年大きな注目を集めているのが、フォトニック結晶と呼ばれる光素材です。フォトニック結晶とは、屈折率の異なるたくさんの物体を千分の1ミリメートル程度の間隔で規則正しく配置した人工構造のことです。このような構造は特定の色の光を特定の方向に曲げたり、反射したりする性質があります。フォトニック結晶の内部構造は複雑な規則性をもっており、その内部の光の挙動もかなり複雑になっています。この結晶の内部構造を上手に設計すれば、これまでの光の性質からは考えられないような方向に光を曲げたり、集中させたりすることができるようになります。また特定の色の光をどんな方向からでも反射する構造も実現できます。フォトニック結晶は、従来センチメートルであった光回路のサイズを一気に縮小でき、将来、マイクロチップの上に光集積回路を構成することを可能にする素材としての可能性を秘めています。今回の実験では、バーチャルに作成された様々なフォトニック結晶に周波数を変えながら光を投射し、どんな方向からでも反射する結晶構造を探索します。

【参加について】
 今回の実験では、数十万人規模で参加者を募集し実施することとしています。(募集の詳細は、別紙)

【キャラクターとの連動】
 cell computingの大規模実証実験では、これまでの海外のPCグリッドの実験では参加が少なかった女性や子供の方が参加しやすいように、キャラクターによる「面白み」「かわいさ」の付加にチャレンジするべく、PC上で動作するキャラクター「セレスト」を開発しました。コミュニティWebサイトや、iアプリ上で、cell computingのキャラクター「セレスト」とその仲間たちが、PCの計算量などと連動して、アクションや格好が変化します。


【各社の協力について】
 United Devices, Inc.
cell computing システムを支える基盤技術とテクニカルサポートでの協力
 日本アイ・ビー・エム株式会社
グリッド・コンピューティングにおける研究開発や国内外における豊富な実績から、グリッド・コンピューティングのインフラ技術で世界的に中心的な役割を果たしている。その実績を活かし、cell computingを支えるサーバ群、ソフトウェア、技術支援などでの協力。具体的には、UNIXサーバ「IBM eServer pSeriesTM」とIAサーバ「IBM eServer xSeriesTM」と、データ・ベースソフトウェア「DB2®」、また、グリッド・コンピューティングのインフラ構築のための技術支援での協力。
 インテル株式会社
cell computing の展開における技術的な課題解決、プロモーション活動などで協力。世界最大のプロセッサ・ベンダとして、一般ユーザ向けPCのパフォーマンスのさらなる向上に努める。
 東日本電信電話株式会社
cell computingの普及には、常時接続環境が必須であり、地域ネットワーク利用時の技術的課題解決、およびプロモーション活動で協力。
 マイクロソフト株式会社
「.Net」でcell computingのコミュニティWebサイトを支え、プロモーション活動でも協力。
【cell computingの今後について】
 NTTデータでは、このPCを利用したグリッド・コンピューティングの市場規模を平成18年には約300億円と予想し、この実験結果を元に、『cell computing』事業化へ向けて検討を進めていきます。

【各社からのコメント】

【日本アイ・ビー・エム株式会社】
日本IBMは、NTTデータ様が本日発表した『cell computing』の大規模実験のパートナーとして参画でき、大変嬉しく思います。当社は今回の実験にIBM eServer、DB2などのITインフラのご提供と、システム構築での技術支援などで協力させていただいています。当プロジェクトを通じて、商用グリッドという新たな市場を開拓していきたいと考えています。また、当社は新しい経営のありかたとして「e-ビジネス・オンデマンド」を提唱し、最新のテクノロジーと製品・サービスを統合した総合的なソリューションによってお客様のビジネスの「オンデマンド化」を支援していますが、今回の実験もその一環として重要な意味をもつものと捉えています。

日本アイ・ビー・エム株式会社
理事・グリッド・ビジネス事業部長 高野 孝之


【United Devices, Inc.】
日本のトップシステムインテグレータである株式会社NTTデータが、このようなPCグリッドサービス cell computingを推進していくことは、日本国内においてコンピューティングパワーを求める、研究機関、企業にとって喜ばしいものとなるでしょう。

United Devices, Inc. Ed Hubbard CEO


【インテル株式会社】
インテルはこのたびのCell Computing大規模実証実験の開始を歓迎いたします。
ハイパー・スレッディング・テクノロジ(HT テクノロジ)の採用など、高性能化を続けるインテルのプロセッサにより、PC が提供するパフォーマンスは拡大を続けます。 インテルは本実証実験により多くのPCユーザに参加していただき、Cell Computingの事業化が速やかに実現されるよう、今後ともプロモーション活動や最新のCPU導入の技術支援などで協力してまいります。

インテル株式会社 プラットフォーム&ソリューションズマーケティング本部
本部長   佐藤 宣行


【マイクロソフト株式会社】
マイクロソフト株式会社は株式会社NTTデータによるセルコンピューティング事業における大規模実証実験を歓迎します。Microsoft Corporationは米国において、分散コンピューティングへの取り組みとして、United Devices社と技術提携を締結し、その技術的発展に貢献しています。また日本国内におきましても、NTTデータの同プロジェクトの大規模実証実験に向け、技術面でもプロモーション面でも協力する予定です。

マイクロソフト株式会社 製品マーケティング本部 Windows製品部
マネージャー 清水 久裕




*cell computing®は株式会社NTTデータの登録商標です。
*IBM、DB2, e-businessロゴ、e(ロゴ)server、pSeries、xSeriesは、IBM Corporationの商標です。
*その他、文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。


 別紙【募集の概要】
 『cell computing』処理方式概要
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ
株式会社NTTデータ
広報室 宗像(むなかた)
TEL:03-5546-8051
実験内容/その他お問合せ先
株式会社NTTデータ
技術開発本部 cell computingプロジェクト
e-mail: cell@rd.nttdata.co.jp
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