株式会社三越様 (2005年7月) -2頁目(全2頁)

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コミュニティビジネスの可能性を探る。三越のブログサービス「三越コミュニティサロン」のトライアル

ビジネス・ブログの普及には社内研修も重要

現在、MCSブログは、NTTデータが提供するブログホスティングサイト「Doblog」(注1)のノウハウを利用して、構築され運営されている。ブログを用いたサイトを構築し円滑に運営してゆくためには、機能設計はもちろんのこと、情報発信の方法や、会員サポート、さらには運営にはどのようなリスクがありそのリスクを回避するには何をすれば良いかなど、さまざまなカンどころがある。

これらのノウハウを共有し、実践してゆくために社内研修はポイントとなる。

「一番心配していたのは、売り場の担当者が、自ら日記を書いてくれる体制を定着させられるかということでした。なぜなら最もいそがしい店舗の最前線が発信者になってこそ、最新の情報を提供できるからです」と、三越コミュニティサロン担当課長 加藤まゆみ氏は言う。MCSサイトでは、売り場の部長への説明会から現場への記事の書きかたの指導まで、2週間にわたる詳細なレクチャーを実施して、「常に新鮮な情報が発信されるブログ」を目指した。

また、検索エンジンで上位にヒットするためのSEO(注2)について、そもそもブログはSEOに有効だとされているが、さらに研究し、工夫を重ねることが大切だ。「先日も、ある商品の紹介記事を自分で書いてみて、情報の記入フォーマットからSEOをきちんと意識することが大事だと痛感しました」と、三越コミュニティサロン担当課長 杉本雅彦氏は言葉を添える。

新しいマーケティングの推進をめざして

三越は、コミュニティのテーマのひとつとして、「コト起こし」を掲げており、MCSブログも、このテーマに貢献する存在に育てていくことができると期待されている。

「いままでは、『フォーマルウェアを販売する方法を考える』という視点からのアプローチだったわけですが。これからは、毎年違うドレスを着ていきたくなるような場を作り、結果としてフォーマルウェアを買っていただくという、ライフスタイル提案型のアプローチが必要になってきます」と金沢氏。MCSブログで形成されたコミュニティは、顧客が求めている「コト」を発見したり、個々人に合ったライフスタイル提案を的確に行なう手段として有望なのだ。

「MCSブログそのものは、まだ成果を語る段階ではありません。売上への貢献などは先の話です」と金沢氏。しかし、コミュニティを核にしたコンサート、パーティ、展示即売会などが動き出しているのも事実である。MCSサイトに売り場担当者からのメッセージを書き込んだ翌日に、「あの婦人靴はどれですか」と複数の女性が三越を訪れるなど、リアルショップとバーチャルサイトとの情報の還流は始まっている。三越劇場に出演する俳優陣が自ら書き込みをしたいと申し出てくれるなど、社外からの注目度も高い。

原点を見直して新しい百貨店像を打ち出そうとしている三越にとって、ブログは大きな可能性を秘めたビジネスツールということができる。

(注1) Doblog(ドブログ):NTTデータが、2003年11月に立ち上げた独自のブログホスティングサイト。米国のブログをそのまま輸入したサイトがいくつか登場し始めたころで、エンジン部から自社で開発したブログホスティングサイトとしては、日本で1、2番目に古い。DoblogのOEMサイトは、MCSサイトのほかにもB食倶楽部などいくつかあるが、いずれもコミュニティ作りに独自の知見を持つ、ビジネスモデル創造型のサイトである。

(注2) SEO:Search Engine Optimization。検索エンジンの上位に表示させるためHTMLを最適化すること、またその技術。

顧客リレーションシップ改革 〜お客様が主役のネットワーク図

お客様プロフィール

社名 株式会社 三越
所在地 東京都中央区日本橋室町1丁目4番1号
創業 1673(延宝元)年(呉服店・越後屋)
設立 2003(平成15)年9月1日
資本金 374億400万円
売上高 8338億7000万円(2005年2月期)
事業概要 三井グループ発祥の老舗百貨店。1904年、デパートメントストア宣言をして、日本の百貨店の発祥となる。2003年、旧三越と連結子会社4社が合併して新生・三越が誕生
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